KATO14系客車からムーンライト用客車をつくる(JR西日本)


撮影:2009/6/14 京キト

 実車は、リゾート用客車として使用されていた車両を含む14系客車を、平成元年頃にアコモ改造して誕生したグループ。ムーンライトやシュプール、団臨等で活躍していたが、順次廃車が始まり、平成21年夏には全廃となった。
 以前からムーンライト九州用に、手持ちのKATO車をベースに改造・制作を検討していたが、オハフ15-200の制作がネックとなっていたり、制作中に完成品が発売されるのではないかなどモヤモヤしていたところ、気づいて見るとオハフは全廃になったり、ムーンライトも運転しなくなり、実車の調査ができなくなりつつあった。いろいろ思案した結果、両端スハフ14でムーンライト九州末期の編成を最終目標とし、先行して4両の短編成(団臨イメージ)であれば、気軽に楽しめると思い制作に着手した。



IPAにより塗装を一掃し、必要個所の客室及び洗面所窓埋め、ドア部の白帯塗装のための段差(凸部)削りを行っている途中段階の写真。スハフの車販準備室部の窓は寸法から検討した結果、サロ481の車掌室窓からの流用が適当と判断し、KATOのサロ481からくり抜いて現物合わせではめ込んでみました。サロは手持ちのジャンクを潰し、1両から必要分2枚採取でたので、まぁ良しとしています。


ベンチレーターは、TOMIXの分売に変更するためモールドを撤去後、平滑に仕上げていきます。屋根上にある手摺はパーツ(RLF #275ヒゲ付き手すり1.0mm)に交換してみました。写真がぼけてスミマセン。取りつけ位置はモールドを目安に針でケガキし、φ0.3孔を小型ペンタイプツール(電動リューター)で削孔しました。今回活用したこの小型ツールは他のサイトで紹介されていたものを通販で入手したものです。使ってみるとφ0.3がサクサクあいて、今までの手作業が何だったのかとショックを受けております。難点はスイッチが工具本体にあるためスイッチを入れてからドリルを穴あけ位置へ移動させる必要があり、手ぶれ、緊張等により位置がづれる可能性があることでしょうか?私はそれが嫌で、足踏みスイッチを別途購入してきて、本体電源の途中に足踏みをかまして、足でスイッチを切り替えるようにしました。


屋根上に引き続き、妻面に手摺り用の穴をあけたところ。モールドを参考に針でケガキ、その位置でφ0.3の電動リューターにて削孔。元のモールドをヤスリで平滑にして手摺パーツを取り付けていきます。


スハフは、ジャンパ栓有と無を作り分けます。左はジャンパ栓無にするためあっさりテールライトごと削り落した。(標識掛は残してます)右は未加工ですが、左と同様に削っていきますが、ジャンパ栓をどのように仕上げていくか思案中・・・。


貫通扉を撤去しました。テールマークの表示窓のHゴムがごついため、ドアを交換します。調達するドアは、TOMIXの14系寝台(旧製品)が順当な選択かと思いますが、ドア1枚のために車両1台潰すのはさすがにもったいないと悩んでいました。すると友人のW氏からモデラでドアを作っていただけるとのことで、いつもながら本当に、感謝感謝です。


ドアを仮にははめてみました。なかなか、いい感じです。


車体と並行作業でクーラーパーツとベンチレータ(TOMIX PB103)を軍艦色Uで塗装。爪楊枝を各パーツの下穴に刺しただけですが、缶スプレーの風圧で飛んでいくことはありませんでした。


スハフの内装はテールマーク等の点灯機構の関係で、一部座席が省略されているます。他の車両から座席部分だけ切り出し、高さを揃え座席がない個所に設置しますが、邪魔になる突起物等は現物あわせで加工が必要です。(左側が製品の状態、右側が座席設置完了後)


実車のスハフは種車の違いによりジャンパ栓の有無に加え、車体側面の吸気孔及び給油口の位置が違うことに気づき、悩んだ挙句、細かく作り分けることにしました。他のジャンクから必要部分を切り出し、移植する方法を採用しました。(写真はジャンク車体からの切り出したパーツと設置する側の車体のくり抜きを終えたところ)

スハフの車掌室側のカプラー付近及びジャンパ栓は、KATOのASSYパーツから調達します。
使用したパーツ類
Z05-1875 オハネフ24ジャンパ栓A(青)
Z05-1876 オハネフ24ジャンパ栓B(黒)
Z05-1787 スハネフ14ジャンパ栓
5160-1C3 スハネフ14前面用カプラーセット
923500 Magnetic Knuckle Coupler,Short Shank,8 ea


こちらは、下地調整で灰色を吹き付けたところ。各窓埋部等の最終チェックをかけ、微妙な凸凹があったので、瞬着を薄く盛り再度耐水ペーパーで仕上げていきます。その都度塗装を繰り返し、納得がいくまで仕上げていきますが、厚ぼったくなっていき結果的にIPAプールにドボンし再塗装する車両もありました。


帯となる中央部を中心にブルーを吹き付けました。実車の青色は、キングスブルーと呼ばれる、JR西日本のコーポレートカラーですが、手持ちのGMカラーを調合しりそれらしい色を作りました。青22号(GM#6):小田急ブルー(GM#22)を9:1ぐらいで混ぜてみました。


帯部に0.7mmのマスキングテープを巻き、全体に白3号(GM#37)を吹き付けました。


白が残るところをマスキングした様子。(青帯と赤となる部分の間の細い間隔は、0.4mmのマスキングテープにて白帯を確保)


最期にウェンズレッドとなる部分を塗装。こちらも調合で塗装しております。(ピンク2(ガンダムカラーCG21):西武レッド(GM#27)を4:1ぐらい)退色したイメージにしたかったため、シャア専用ピンクを使用してみました。


全体の塗装を終えたところ。


トイレ側の貫通扉にクリーム1号に黒を少々混ぜて調合した薄茶色で、客車扉の色をそれらしく表現。スハフの幌枠とドアノブにフラットアルミを筆入れ。愛称幕はプラバンの素材そのままです。Hゴム部はすべてIPAで色落とししたのち、黒マジックで色入れ。


LEDと抵抗直列配置し、回路をもとのライトユニット付近にセットしてみました。アルミシールでで簡易に遮光しただけですがいい感じに点灯しています。


左からスハフ14 201、オハ14 201,205 スハフ14 204

2010.4完成
RMM179(P109)掲載


追加加工


ジャンクのオハ14が2両入手できましたので、さっそく2両増備しました。加工内容は前述と全く同一、塗装で一部変化をつけています。
屋根板部分とシートの色を変えてみました。車番は250番台の、253と255。


スハフのジャンパ栓付車に、コックを追加。TOMIXのPZ-001ブレーキホースのホースを切断したものを取付。
あと、煙突付近のウェザリングを追加してみました。


6両編成が完成。あと2両でムーンライト九州の末期編成の完成。

2010.5


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