TOMIXキハ181系の小工作(JR西日本)
キハ181系の後継車キハ189系がデビューし定期運用で唯一残っていたキハ181系「はまかぜ」が置き換えられた。またカニカニや団臨等、気動車の特性を活かし線区を選ばず運用が効くことから伊勢、北陸、山陰と幅広く活躍した京キトのキハ181系。地元奈良線にも時折入線しているので気になる存在でした。友人のW氏からジャンクのキハ181系(国鉄色、四国色)を大量に譲り受けましたので、JR西日本色のキハ181系を仕立てることとした。編成はキロを含む7連としシュプールやおわら臨も自在に組成できることを目標とし工作します。
最初に全車、IPAにて塗装を落とします。車体のロットにより、黒成形と灰成形が存在。またクーラーパーツも初期のものと若干改良を加えたものと2つ存在することがわかりました。
タブレットキャッチャーとプロテクターを削り落したところ。耐水ペーパーで慎重に削りますが、運転席窓のHゴムに傷をつけないよう注意が必要。また車体成形時に生じているパーティングラインも同時に平滑化していきます。
続いて、すべての非常口のモールドを瞬間接着剤で埋めて、車体とツライチにします。サボ受けに近接しているところは慎重に。
妻面の手摺を市販の手摺パーツと交換。
また貫通扉の窓は近年、細長いものになっているので、ヤスリを使いそれらしく拡大します。市販のドアパーツが入手できる方はドアごと交換したほうがてっとり早いかと思います。
前面も手摺等を取付けます。運転席及び助手席窓下の手摺はφ0.25の真鍮線を加工。(モールドに合わせ長さを決めます)
貫通扉レバー、前照灯脇の手摺、標識掛が省略されているのでそれぞれ追加設置します。
標識掛はφ0.25の真鍮線を1cmほど切り出し、5mm分を万力で潰して平らにし、L型に曲げたのち適宜切断、車体をφ0.3で削孔しパーツを取り付けてみました。またワイパーや列車無線アンテナの設置に備え、この段階ですべて削孔します。(塗装後にすると修正に難儀するためこの段階がベストかと思います。)
その他使用パーツは以下のとおり。手持ちの余剰パーツを活用、寸法さえあえば何でもいいかと思います。
信号炎管・・・銀河モデル#010
ドアレバー・・・TREASURE TOWN #206 207/223系手すりセット
前照灯脇手すり・・・TAVASA #1405 クハ201系用手スリパーツセット
カプラーは、TN化しました。現在ではTN対応床板となっているため問題ありませんが、初期製品は加工が必須。思案の結果、t=1mmのプラバンを介して、ビス止めしました。ビスは、エコーモデル#1441細密ビス(M1.4
×4mm)を使用。またトイレタンクも設置したかったため、左の写真のように、TNカプラーの床面を一部切り欠き現物合わせでトイレタンクを取りつけます。
続いて塗装です。
下地を灰9号を吹き付け。
ちなみにキハ181の運転室側の煙突は突起だけあり煙突穴が開いていません。ピンバイスで削孔し煙突形状を再現してみました。
青帯のキングスブルーは調合で対応しています。
前作14系シュプールの色より明るくすべく以下の割合で調合しましたが微妙な色です。
青22号:小田急ブルー:小田急アイボリー:東武ライトブルー=4.5:4:0.25:0.25特に計量したわけではないですが雰囲気的にこれぐらい。
出来上がった色で満足いかず、さらにコバルトブルーを半々で混ぜ、適当に妥協。
結果的にみると、スカイブルーとコバルトブルーを混ぜて作る方が無難かもしれません。
上写真が、帯を意識して窓下部を中心に吹き付けたところ。
今後のマスキング方法は、セオリーどおりいけば、帯部をマスキングし茶色部もしくは灰色部とするところですが。前回のシュプールで感じていたのですが、細帯のマスキングテープを張るときどうしても曲がってしまっているような曲がっていないような、変に目の錯覚が入ってしまい、うまくいかないと判断。塗装手順が複雑となるが以下の順番でマスキング、塗装を実施します。
茶色部の塗装に備えマスキング。このとき車体中央部のみを意識し、他の茶色部(雨どい、車体下端)は無視します。
茶色帯部と前面周りを塗装した様子。
茶色は、マホガニーに白3号を少々加えたものです。(写真撮影が下手です。><)
先行して塗装した茶色部を頼りに細帯部(0.7mm)と茶色部より上部をマスキングし灰9号にて車体下部を塗装します。
マスキングを剥がすとこのようになります。残す茶色部は雨樋部と車体下部、灰色車体色が妻面と茶帯と雨樋部の間部分。
雨樋と窓周りの茶帯との間の灰色部のみを残しマスキングし灰色を塗装。その後、雨樋と裾の茶帯部のみを残しマスキングし茶色を塗装。
この工程を終えた様子が上の写真となります。あとは屋根の塗装だけです。
屋根はディーゼル煙により黒が主体の状態ですが、全検後はシルバーでクラーがダークグレーのようです。
ところでクーラーですが、製品が古いためモールドもいまいちです。制作過程でたまたまKATOからキハ181系が製品予告なされ、クーラーの表現も的確に再現されると期待し発売を待ったのが正解でした。
(Z06-1136キハ181クーラーAU13S)
屋根を塗り終えウエザリング後、クリアを吹き付け乾燥中の様子
屋根:クレオス#8シルバー
クーラー:GM#9ねずみ1号
前面窓枠、幌枠、ヘッドマーク枠、ヘッドライトリム、運転台側貫通扉ノブ、特急シンボルマーク:タミヤXF16フラットアルミ
客室側貫通扉:クリーム系調合
車番インレタ:TOMIXキハ181系用インレタ
JR西日本マーク:Bトレ683系サンダーバード付属シール
ウェザリング:GM#10黒
製品の電球を白色LEDに交換します。抵抗は1kΩを使っています。前照灯はプリズムで導光する形態であったが上向きにもLED
を配置し直接前照灯のレンズ方向を点灯するようしました。シートパーツと一体となっている運転席付近の遮光パーツはLEDを薄く削るのとあわせて遮光パーツのも現物あわせで削りLEDがうまく設置できるよう工夫します。なお前照灯用のLEDはクリアーイエローを筆塗りし電球色を再現します。
グリーン車マークは小さめで本来は茶帯の上の方についていますが、手持ちのKATO製のグリーン車マークインレタしかなかったためそれらしい位置で誤魔化しています。(笑
ダイソーで入手したパステルを台車に塗してみました。なかなかいい感じです。床下機器モールドは製品が古いため大雑把ですが、各種塗装しブラックアウトなど施すとそれなりに見栄えします。
LED化の甲斐もあり純正の電球よりは多少マシになる程度。愛称板を単独で点灯させればもう少し見栄えがよくなるかもしれません。
屋根は排気管を中心にウェザリングしてみました。銀の上に黒を吹き付けています。783系の制作時、銀塗装の上に他の色を重ねた時剥げ落ちたことがあったので不安視していましたが、特に問題ないようです。
ヘッドマークは、「はまかぜ」と「シュプール白馬栂池」としています。ちなみにワイパー再現ですが、運転席窓部のモールドを削り、耐水ペーパー(#2000)で表面を平滑にして手元にあった車用のWAXで拭いたらそこそこ透明度が回復しました。パーツは、銀河モデルのワイパー(#040)を使用しています。
KATOのクーラーのお陰で格段に見栄えのよくなったTOMIX製のキハ181系
2011.4完成
RMM192(P120)掲載