マイクロエースの215系電車グレードアップ改造
東海道線の混雑緩和をめざして開発され「湘南ライナー」などに使用されている。215系は、在来線初のオール2階建て車両として、座席数を増やしているのが特徴。ちなみに1両あたりの座席数は、最も多い車両で120名分あり、在来線の車両では最大数を誇る。車体はステンレス製で、車体の大きさは限界いっぱいだが、パンタグラフの高さを低く抑えているため、トンネルの断面が小さな中央本線でも運転が可能。この区間では臨時の「ホリデー快速ビューやまなし号」などに使われている。
模型の方は、マイクロエースが他社の追随を許さぬが如く世に送り込んできました。実車は4編成40両しか存在しないにもかかわらず、登場時の1次車(NL1編成)、ATC搭載(東京地下ホーム乗入用)増備の2次車(NL2編成)を製品化。賛否両論があるが、これだけこだわりを持って製品化してくるとは、社としての意気込みだけは十分に伝わる。全体的にはバランス良く仕上がっており、世間ではマイクロースの中でも優良製品として噂されているかもしれない。というこのモデルを思い当たるままに、気軽にグレードアップを図ってみましょう。
とりあえず、金さえかければ、すぐにでもグレードアップできるネタ。まずはパンタをTOMIXのPS23へ交換。(奥が交換前、手前が交換後)純正もTOMIX製も取付け方は一緒です。もしかしたらマイクロエースが意図的に補修できるようにTOMIX対応としているのかもしれません。
それと忘れてはならないのがTN化です。ボディーマウントを前提にしているかのごとく製品のアーノルドカプラーがワンタッチを外れてくれ、床下にもTNがはまる溝や突起が施されている・・・。これだけでも十分なグレードアップですネ。
つづいて、電球のLED化を図ります。やはり長時間運転すると電球による発熱がもとでボディーの変形等が危惧されることと、白色LEDの眩しいばかりのヘッドライトに憧れるのは当然でしょうから最近のトロントロンファクトリーでは標準工事となっております。
まずは車体の分解しましょう。床下とボディーは爪にて引っ掛っている構造なためKATOの一般的な車輌を分解するのと同じ要領で分解できます。
台車を外すと遮光ユニットがすんなり外れてくれます。なにやら見慣れぬ基盤が・・・。もしかしロケットスタート基盤か?
あまり深く考えず全て分解。遮光用にスポンジで隙間埋めしてあったり、基盤の半田付もいい加減だったり、テールライト部は、真っ赤だし、いろいろと粗が目立ちます。これも中華製たるゆえん致し方ないところか・・・
LEDを白が垂直、赤を水平になるようセッティングします。写真は白の方足を生かし、赤の足を2mm程度残し切断したものを取付けた例です。
次にウエイトに半田付けします。進行方向右にくるウエイトに抵抗を、左にくるウエイトに先ほどのLED(白の短い方の足)を半田付けしました。取付け位置は現物合わせです。概ねこの写真のとおりの位置にこのように取付ければ問題ないかと思います。なお、ウエイトは半田が付き難いため、一度表面をヤスリで荒らして、十分な加熱後フラックスをチョン付けすれば、半田も上手いことのってくれます。
遮光ケースが納まれば全然OK。結局、純正の基盤は使わずでした。赤LEDの方は点灯時に上方向への光漏れを防ぐ意味でも多少、遮光しておいたほうがいいでしょう。
あとはテールライトレンズが赤いので一旦シンナーで落とし、クリヤーレッドを少し塗ってやるだけでいいかと思います。
左:加工前 右:加工後
スカートの隅間に見えるパーツ類とダミーカプラ−、スカートの厚みを隠す意味でスカート断面をそれぞれフラットブラックで筆塗りしてみました。テールライト部もおもちゃっぽい赤からシックなクリヤーレッドになっているのがお判りいただけるでしょうか?
左:加工前 右:加工後
発色具合は賛否両論でしょうね。LEDにクリヤーオレンジをさしてやると元の電球色のイメージになります。
左:加工前 右:加工後
これは、、技有りでしょう。赤色LED恐るべし。というかクリヤーレッドパーツなら電球でも十分なのでしょうが、アリイの場合クリヤーパーツを真っ赤に塗るというのが社風のようで・・・
メッキされたクーラーパーツは、ちょっと考えものです。パーツは接着剤ベッタリでなく車体の裏から爪を逃がすことでスンナリ外れてくれます。しかしこのパーツ、塗料を上塗りしたところで直ぐに剥がれそうなのでメッキ剥しをせねばなりません。
メッキ剥しをどうしようかと悩んでいた挙句、とあるサイトでメッキの剥し方の紹介があった。
やり方は簡単、台所用洗剤(塩素系漂白剤)を水で2倍に希釈し、空き瓶等にパーツ共々入れてしまい、待つこと5〜10分。
左:加工前 右:加工後
あら不思議。メッキ部が綺麗さっぱり溶けてなくなりました。これでゆっくり好みの塗装ができます。(^^ゞ
端部のグレー部をマスキングしてやり、元のメッキ部をシルバーで吹いてやりました。全体的に落ち着いた感じが伺えるかと思います。あとは、メッシュ部等に墨入れしてやるとグッと雰囲気が良くなるかと・・・
方向幕窓にフラットホワイトを筆入れします。本来は窓を外して作業してやると楽なのでしょうが、マイクロエースの製品の殆どは窓が接着されているので仕方がありません。(+_+)これに伴い、客室窓部も色入れを断念しております。
方向幕にはペンギンモデルの方向幕シール(215系用#78)を使用します。側面方向幕の他、運行番号や種別表示もついておりなかなかいい商品です。ただし綺麗に切り出すのは至難の技ですが・・・。
ここで先ほどの方向幕窓の白入れを何故と思われる方もいるかと思いますが、補足しておきますと、シールそのものは四角形にしか切り出せません。いっぽう方向幕窓は角にRのある長方形窓なため、シールを貼ったときに微妙に四隅に空白ができるため、事前に白を塗って誤魔化しているのです。(^_^;)
あとは、台車や床下機器の塗装、パンタの塗装でもしてやればいいのですが…。
2003.3
完成画像は、もうしばらくお待ちください。
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