ペアーハンズの715系キットを組立てる

 巷で不良在庫となりつつあるペアハン715系キット、あるいはTEXTから販売予告がされ製作意欲が無くなった方々、いろいろなケースがあるかと思います。またTOMIXからはHG583系も販売され皮肉にも本キットの種車となるKATO583系も巷にあふれ返る始末。製作派の方以外だったら絶対に作らないようなペアハン715系を今更ながら作ってみましょう。トロントロンファクトリーでは以前よりキットは所有していたのですが、生産ラインの技術力不足で計画倒れとなっていましたが、当工場の技術力UP及び余剰しているKATO583系中間車の生きる道を与えるべく製作に踏み切りました。なお、715系完成イメージは両端食パンの編成とします。(実車は2編成のみ存在)この計画に伴いクハ714-0のキットも処分価格でゲットし製作意欲満々です。

手持ちの種車の関係から以下の組合わせで製作することとした。(すべてKATO車)
クハ714-0 ← サロ581+モハネ583の屋根
モハ714-0 ← モハネ582(M)
モハ715-0 ← モハネ583
クハ715-100 ← サハネ581



まずは、パーツ切り出します。この作業がなかなか難しくブリッジの仕上げも丁寧に行わないと後々後悔する羽目に・・・
また外板が非常に薄いのに付けくわけ、ステップ部等の足から曲がり易いため特に注意が必要です。


内張りの床板受け用のツメを内側にたおします。アングルを介して万力で固定し、曲げたいところだけマイナスドライバーか何かで折れば綺麗に曲がってくれます。


定石どおり固定し、瞬着用の穴に半田を流し込めばとりあえずOKでしょう。


半田で固定した様子。なお、ステップ部や乗務員ドア部、内外板とのスキマ部に半田メッキをついでに施しその後の作業に備えます。

内側にある床板受けを予め折り返しておき、逆さの状態で万力とアングルで本体を固定し裾曲げを行います。最後に屋根受部を曲げます。この屋根受部は指の力でスッと曲がってくれます。逆に言えばそれだけもろいということなので一部半田による補強を行っています。なおこの一連の作業は説明書どおりの手順で問題ないかと思います。


ちなみに食パンクハの先頭部は内板が前面部と一体構造なため、側板部の一部が外板のみの部分があります。このまま裾曲げを行うとアングルと板との間に内板分の隙間がでますので適当な切れ端でこのようにダミー内板を仮付けしてやると曲げ作業も安心して行えます。


結果はこのとおり


こちらが、前面部&側面の一部の一体構成の内板です。板そのものは溝が切ってある為、スンナリ曲げ加工ができるのですが、フニャフニャです。四隅を念のため半田メッキを施し補強を行います。


これまた失敗!ドア部にドア板を半田で固定しようとしたらロストのドア受けが一瞬にして溶け出した(^_^;)この失敗によりロストパーツの取り扱いに緊張感が増しそうな気配。


説明書には車体に床受けの補強パーツを付けろと指示がある。不思議なことに90度に曲げた補強パーツを床受け下側に付けるとあるが、床受けそのものは床板を受けるため当然水平を保っている。ところが床受け部は裾の絞りこんだ位置に取りついているため実際には90に曲げた補強パーツは取り付かないことになる。(本当は75〜80度ぐらいに曲げるのでしょうが・・・1両で4箇、4両で16個を同じ角度曲げるのは至難の技でしょう)そこで補強パーツを半分に切断し床受けの下側に半田で取り付け高さ調整に備えました。


あとは実際に乗せる屋根を使い車体幅を確認したあと、側板どおしを渡す補強パーツを取り付けることによって半田作業は終わるかと・・・


とりあえず、モハユニットだけ組み終えた様子。


続いて、クハの前面加工です。こういった曲げ物は裏にスジが入っているため、指だけでスンナリと曲がってくれます。


むぅ〜なんともいえん顔だ…


顔が、裾の曲げあたりと合いがよくありませんが、気にせず半田をテンコ盛してやります。


妻部は種車よりそれぞれ切り出します。説明書の指示では、屋根裏と妻の一体構造で(横から見るとこんな感じ Π)切り出すようにとあるが、作業が大変なのでアッサリ妻だけを切り出しその後の作業に備えます。


切り出した妻部は、キットの車体幅より多きいため妻の雨樋の縦ラインを目安に幅を狭めていきます。要は現物併せではめ込めればいい訳ですが・・・


ここでチョンボ発覚!
モハ714の車体にある床受けの片方がモハネ582の床下ダイキャスト部にぶつかってしまい、嵌らないではないか。思案の結果、ツメ周辺に固めた半田を一旦取り除き、ツメをグリグリと動かして外しました。もともとスジが入っていたため取り外しはスンナリいきました。そして正規の位置にツメを半田で固定し一見落着となりました。ここでの教訓、キットメーカーの床受けのツメの位置は信用するなってところでしょうか。(^_^;)


続いて屋根の加工(写真は途中段階)
こだわらない方は、KATOの屋根のまんまでいいのですが、モハのベンチレータが千鳥配置になるためTOMIXのPB103をつかい再現します。1両だけ交換してもバランスが悪くなるので4両とも交換します。ニッパーでもぎ取った後、エポキシパテ等で穴埋め、平滑に仕上げたあと所定の位置にφ1.5で削孔します。(なお両クハは種車の関係で両車とも1列配置です。)

モハ714の屋根もいろいろと機器類が撤去されているためこの辺も忠実に再現しなければ・・・と思うところだが。


トロントロンファクトリーの製作はここまで
わけあって本車体類はMiG29氏へ引継ぐこととなりました。
無事完成をすることを祈りつつ。続きの加工はMiG29氏のページへどうぞ・・・(JUMP)

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